コリ改善を目的とした「ポリモーダル反応理論」とは

コリの原因は虚血性(血流不足)による筋肉疲労

前回『コリのメカニズム』で述べた通り、コリの原因は虚血性(血流不足)による筋肉疲労です。

一般的な処置の方法としては、病気の原因を取り除くのではなく,病気によって起きている症状を和らげたり,なくしたりする

◎対処療法:湿布・薬剤で痛みを和らげる。病気の原因を取り除く
◎根治療法(根本療法):血流を増やす。

の2つが有ります。

コリの対処療法

残念ながら、多くは「対処療法」に終始しています。古くはメンソール(ハッカ臭)系の冷湿布材の貼付です。最近では逆にカプサイシン(唐辛子)を使った熱感式の温湿布材や、抗炎症剤や麻酔剤としてロキソプロフェン(抗炎症剤)・ジクロフェナク(抗炎症剤)・インドメタシン(抗炎症、麻酔剤)を混入させた湿布や、塗り薬などがあります。

メントールを皮膚に接触させると冷やりとした感覚がありますが。これは実際に温度が低下するためではなく、冷感を引き起こす受容体をメントールが刺激することによるもので、温度低下は有りません。一方、カプサイシンは同様に発熱感をもたらす受容体に作用しており、温度上昇はありません。 

抗炎症剤の塗布は消炎効果・麻酔効果に期待した対処療法であり、痛みの緩和には成功しても、原因を解決するものではなく、冷感・温感に至っては、まさかの錯覚に近い物のようです。

コリの根本療法

根本治療として血流を増やす方法で、一番簡単に出来るのが適度な『運動』です。ラジオ体操でも一定の効果は有るでしょう。

ポリモーダル受容器とは

もっと科学的なアプローチとしては『ポリモーダル受容器』が期待されます。ポリモーダル受容器は医学界における「痛み」の研究の中で1970年代に明確化されて以降、近年急激に注目されています。他方、これまでの西洋医学中心の考え方から、東洋医学へ関心の高まり、鍼灸の科学的研究により「鍼灸」とポリモーダル受容器の関係性が明らかになってきました。

ポリモーダル受容器は皮膚表面のみならず内臓を含めて全身に分布する受容器で、機械的刺激、熱刺激、および化学的刺激のいずれの刺激にも反応する代表的な受容器(レセプター)です。これらの刺激は侵害刺激と呼ばれ、身体に危害を与えるような外部刺激の事です。例えば機械的刺激とは、何かが触れるという軽い刺激から、皮膚を破って組織を損傷させるような異物侵入という大きな機械的刺。43 度以上の熱刺激。そして生体内外に存在している化学物質(高張食塩水、水素イオン、アデノシン三リン酸;など)、生体内で産生される化学物質(ブラジキニン;他)なども含まれます。

人の生活の中で、皮膚に対する機械的刺激や、炎など外部から熱刺激が加えられる事も多々あります。ポリモーダル受容器はこれらの侵害刺激に対応するために、血流を増加させ、侵入した異物(侵害刺激)を押し出そう。あるいは加えられた熱の冷却に血流で対処しようとします 。

ポリモーダル受容器の理論に適っているのが、鍼であり灸です。

このポリモーダル受容器の理論に適っているのが、鍼であり灸です。 鍼という異物の侵入や灸という加熱といった鍼灸とは、ポリモーダル受容器に対し機械的刺激と熱刺激を利用していると言えます。

そして、結果的に、コリや痛みの原因となる老廃物や発痛物質が血流により浄化されます

肩こりが血流不足による虚血性筋肉疲労である以上、鍼灸でポリモーダル受容器を刺激して血流を改善する事は、真に理に適った根治療法となります。

あまり知られていない事に、マッサージは筋肉を揉み解していると思われがちですが、基本は機械的刺激を加えてポリモーダル受容器の反応で血流を増加させて筋肉疲労に対応しているのです。

以上のように、肩こり解消には血流を増加させる事が最適で、簡単な方法は適度な運動で、次はポリモーダル受容器刺激と言えるでしょう。

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