ストレスによる肩コリ発生の原理

ストレスによる肩コリ発生の原理

人間におけるストレスの本質とは

肩コリが「国民病」ならば、現代は久しく「ストレス社会」と呼ばれています。
ストレスで肩がこりますか? と質問されたら、答えは『YES』です。

そもそもストレスとは本来は機械工学用語で直訳すると「応力」や「歪み」という意味ですが、
三省堂 大辞林によりますと以下になります。

ストレス 【stress】
精神緊張・心労・苦痛・寒冷・感染などごく普通にみられる刺激(ストレッサー)が原因で引き起こされる生体機能の変化。一般には、精神的・肉体的に負担となる刺激や状況をいう。

意味が解るような解らない感じです。
現代人のストレス(ストレッサー)とは何でしょう、

・人間関係
・恋愛問題
・借金問題
・将来不安・・・・ etc

人によって様々でしょうが、どれも当人にとっては大問題です。
しかし、人間本来のストレスとはどんなものだったのか。

最近の研究では30万年前には、ホモサピエンスが既に存在していたようです。

外形的には現代の人間にほぼ近いのですが、
原始の人間にとって最大のストレッサー(ストレス)とは何か? 

それは外敵です。

即ち、ライオンやクマなどの猛獣に襲われ命を落とす事です。
二足歩行を始めた原始の人類は、腕力は弱く、牙も無く、動作も獣の中では極めて鈍い。

30万年よりもっと以前から、集団生活と武器を持つまでの何十万年もの長年に渡り、
狂暴な肉食獣たちの格好の獲物(食料)だったのです。

ストレスを感じると体に何が起きるか

想像して下さい、あなたは原始人として広い平原にいます。
かなた遠くですがライオンが見えました。サファリパークではありません。

野生の生ライオンです。

まずは『ドキッ!!』

悠長に眺めている暇はないでしょう。
闘って勝てる相手ではありません、やはり遠ざかるのが妥当です。

ライオンもこちらに気が付いたようです、近付いて来るではありませんか。

『やばい!!喰われる。』あなたは逃げる事を決心します。
と言うか、反射的に逃げ出しているでしょう。

その時あなたの身体の中で何が起こっているのか?

①筋委縮

襲われると、牙や爪で外傷を負うかも知れません。
少しでも流血を防ぐため血管の周りの筋肉を収縮させ血管を保護しようとします。
結果として血管は細くなってしまいます。

②血液凝固性

出血した場合、少しでも出血量を抑えるため
血小板の性質を変えて血を固まりやすくします。

③血糖値向上

筋肉活動のためにエネルギー源である血中の血糖値を上げます。
更なるエネルギー源として中性脂肪も上げます。

④血圧向上

収縮により細くなった血管の中を、さらに②と③によってドロドロになった血液を無理やりに流すため
心臓は鼓動を高め血圧を上げます。ドキドキするのはそのためです。

⑤内臓活動減退

体内のエネルギーを筋肉活動に集中させるため、関係のない消化器等への血流は抑える。
勿論、食欲は消えますし、外敵がいるのに無防備にトイレに行くことはしません。
つまりお通じを止めます。

⑥末端低温

全ては生き抜くため、筋肉活動のためです。
皮膚の毛細血管などは縮まってドロドロ血液をお肌に送る事も出来ません。
ストレスで顔が真っ青になる所以です。当然手足の先も冷えてきます。

⑦警戒的姿勢

眼は瞳孔を拡げ、暗い場所でも相手の動きを見逃さないようにします。
大切な腹部を守るために背を丸め、ついつい猫背になりがちです。
目を見開き、背を丸めて周りを威嚇する追い詰められた猫を思い浮かべて下さい。

ストレス反応とホメオスタシス

このように、ストレスを感じると自律神経の交感神経が優位になる一連の反応を
『ストレス反応』と呼びます。

これは身体に異常を起こしているのではなく、個々の現象に意味が有り外敵に対応しているのです。
しかも、人間だけではなく哺乳類は勿論、鳥類など一定以上の高等動物に共通の反応とされています。

走るに走って幸運にもライオンの襲撃から逃れられたとしましょう。
ホッと安心で空を仰いで深呼吸の一つもしたくなります。

血管の筋肉も緩んで拡張するでしょうし、一旦上がった血中の血糖や中性脂肪は
筋肉活動で消費された事でしょう。

平和を取り戻した身体は元の平衡状態に戻って行きます。
これを「ホメオスタシス(生体恒常性)」と呼びます。

現代人におけるストレスの本質

一方、現代人のストレスは
走って逃げる等の筋肉活動で解決するものではないという事が大問題なのです。

しかも現代のストレスの性格上、一時的に現れる猛獣ではなく、
長時間(長期間)に渡って身体に影響をおよぼし続けます。

怖い事に、現代人の脳の中では常に猛獣が付近をうろついているかの如く感違いをしているので、
身体は平衡状態に戻れません

現代人においては血管収縮、高血糖、高脂血症、高血圧の一連のストレス反応は、
筋肉活動で消費されずに身体に残ってしまいます。

これが生活習慣病という病です。

身体の中は常に筋肉活動に向けた臨戦態勢で、
医師から運動をしなさいと指導されるのは至極当然と言えます。

ストレスとコリの悪循環

個人的にはストレスを忘れるために酒に頼っても不思議はないのですが、
生活習慣病は暴飲暴食等の好き勝手した結果で、自業自得の如く思われがちですが、
実はストレス後遺症の側面が有るのです。

暴飲暴食も満たされない心を満たす為とも言われていますが、
ストレス反応だけで本が一冊書けるくらいのボリュームが有るのでこの辺にして・・・。

話を肩コリに戻すと・・・、もうお解りでしょう。
血管収縮・ドロドロ血液・毛細血管の血流不足。しかも猫背ぎみ。
そして運動をしない。

どう見ても筋肉の虚血症状が現れて肩コリしても不思議はありません。
ストレスとコリの悪循環となります。

肩コリの為のみならずストレスとはうまく付き合わないと大変なことになりそうです。
それに美容にも宜しくないことは言うまでもありませんね。

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