磁気治療パッチの原理と効能

肩コリ解消グッズとして、磁気治療器(永久磁石式)がありますが、これらは一体どのような原理なのか。フォーカスして参りましょう。

磁気治療器

筆者は20年以上も肩こり解消に関わってきましたが、この磁気治療器とは、原理不可解な部分が多いです(あくまで個人の感想です)。

そもそも、半世紀以上も前、最初の東京オリンピックが近付いていた日本の近代化政策の一環として薬事法が発布され、薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第4項において、「医療機器」が規定されました。

ウィキペディアより 厚生労働省本省庁舎 (中央合同庁舎第5号館)

その際、国家が医療機器を規定するにあたり、当時の民間療法的な物も広く申請させて審査したとの事で、その中の一つに磁器治療器があり、伝え聞いた話によると、極めて民間療法的な、且つ非科学的な申請もある中で、磁器治療器に於いては中川恭一という医師の論文が添付されており、厚生省の目を引いて医療機器として追加された。という都市伝説が有るようです。

しかし、その論文はアンケート集計のようなもので、臨床試験結果と言えるような物ではなかったようです。(あくまで伝聞です)

筆者は20年経っても尚、どのような機序(仕組み)で磁器治療器がコリを治すのか解りません。仕組みとしては血液中の鉄分に磁気が働くそうで、「フレミング左手の法則」や「ローレンツ力理論」に則って血行が良くなるそうですが、不明点が多いのです。その一例として、

鉄イオンに対し有効なのか

身体側に磁気に感作する受容器(レセプター)は無いので、磁器治療器メーカーが言うには、血液中の鉄分に対し「フレミング左手の法則」や「ローレンツ力理論」が作用するとの事ですが、血液中の鉄分とは、分子ではなく鉄イオンとして存在していますが、鉄イオンに対してこれらの理論は有効なのか。実証データを知りたいところです。

血流減少方向もあり得るのではないか

仮に鉄イオンに有効だとして、いろんな方向に張り巡らされた毛細血管において血流を増進させる方向の血管も有れば、逆に阻害する向きの血管も有るのではないか。

100ガウスの磁力が有効なら、その300倍近い磁力のMRIで影響が出ないのはなぜか

ピップエレキバンに代表される磁器治療器0磁力は100ガウス程度ですが、その300倍程の3テスラの磁力を浴びせる磁気共鳴画像診断装置(MRI)は人体に全く影響を及ぼさないのは何故か。 最近では700倍の7テスラ級MRIが開発されています。100ガウスで血流が向上する論理なら、MRIに入ると過剰な血流になるのではないか。

欧米やアジア圏で磁気治療器が認められないのはなぜか

我が国においては「磁気治療器」という事で医療機器に認定されてヒット商品となっていますが、米国食品医薬品局(FDA)においても、欧州医薬品庁(EMA)においても、中国衛生院においても「磁気治療器」は認められていないのは何故か。

推察

磁気治療器は実験などで実証する再現性が無く、明治大学では疑似科学としているようです。Wikipediaで「磁器治療器」を調べると、肯定派が記事執筆したと思うと、突然、否定的内容に入れ替わったりと肯定派と否定派の攻防が行われています。

そもそも何故、厚労省は磁気治療器を管理医療器具として認めているのか、管理医療器具は高級なイメージが有りますが、人力や重力のような自然エネルギー以外のエネルギーに頼るものは内容が何であれ管理医療器具となり、磁気というエネルギーを使っているというだけでハイグレードという訳でもありません。

厚労省は半世紀以上も前に、理由はともかく認めてしまったものの、どうやら身体に大きな影響も危険もない様だから自己責任で製造販売して下さい。という見解の様です。

しかし筆者は、厚労省は無責任と思います。

磁気治療器の売上額は数十年の長きに渡って、数千億円あるいは兆の単位に届いているかもしれません。効果の不確かな物を認定して一つの業界を形成させておきながら、国民側に自己責任云々でこの売上を放置するのはいかがなものでしょうか。

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