「コリ」を受け易い部位
「コリのメカニズム」で述べましたように、肩は頭の荷重を首を通して受け、 一方で腕と繋がっているため、首と腕の荷重の交差点となっており、虚血性の筋肉疲労、すなわち「コリ」になりやすい部位です。
では、肩こりになりやすい人の傾向とはどのようなものでしょうか。
筋肉において
- 女性に多い:荷重を支えているという点において、男性より筋肉量が少ない女性にコリが多い事は頷けます
- 肥満体に多い:同じ筋肉量なら、肥満体の方が大きな荷重を受けることになります。
- 痩せ体形:極端な痩せ型の方は筋肉量が少ない為にコリ易いと言えます。
骨格において
- なで肩:(首や肩の筋肉が貧弱なことが多い)
- 猫背に多い:頭の荷重が前方に偏るため肩への負担が多い。
- うつむき加減の人:猫背と同様に前傾姿勢によるモーメントが加わり負担が大きくなります。
生活習慣において
- 運動不足である。
- デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっている。
- いすと机のバランスが悪く偏った姿勢を続けている。
- かばんをいつも同じ方の肩にかける。
- 長時間冷房のきいた部屋にいて体が冷えている。
- 片手でスマホを長時間弄っている。
- 寝っ転がってテレビを見たり本を読んだりする。
その他の因子
- 冷え性の人: 元来、毛細血管への血流が不足気味な為、コリ易くなる。
- ストレスを感じやすい人: 人に限らず動物はストレスを感じると、「ストレス反応」という防御反応によって、血管を細めて血流を制御しようとします。その為、コリ易くなる。
- 眼精疲労の人: 度の会わない眼鏡をかけている場合などついつい眼を細めたり、前傾姿勢になってしまいコリ易くなる。こういった場合を除き、個人的(ハカセ)には、眼精疲労が肩こりを誘発するというより、同時に進行していると考えています。
スマホとコリの相関性
現代人に無くてはならない文明の利器として、パソコンやスマホが有ります。
パソコンやスマホに集中している姿を想像してみて下さい。
身体はじっとして腕はほとんど動かさないのに、指先だけはカチャカチャと動かしています。モニターを見つめるあまり、ついついモニターを覗き込むように前方に顔を突き出してしまいます。
しかも、楽しくゲームをしているならいざ知らず、仕事をしている以上は適度に緊張状態は続きます。
特に、電車の中のスマホは最悪です。

例えゲームを楽しんでいても、片手はスマホを支え、揺れの中視線を定める他に、頭部と眼は微調整の連続です。
無くてはならない文明の利器が、有ってはならない最大のコリ発生器にならぬよう、これらの点を意識して、少しでもコリ予防してください。